意識的配慮の共生的学習に関する因果モデルの検討 : ボランティア日本語教室アジア系学習者の場合
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,在日外国人が接触場面でのどのような意識的配慮の調整を学習しているのかを明らかにすること,その学習にどのような要因が影響を与えているのかを因果モデルにより検討すること,さらに留学生との比較検討を通して共生的学習に関する示唆を得ることである。ボランティア教室で日本語を学ぶ104名のアジア系学習者に対して質問紙調査を行い因子分析を行った結果,4つの意識的配慮が特定され,それらの配慮と日本語能力とに相関があることが示された。また,パス解析の結果,3つの意識的配慮に対して,非言語重視型信念及び将来性動機が直接的に強い影響を与えること,そして,それらの要因を強めるのは友人関係と肯定的経験であることがわかった。次に,留学生との比較を通して,ボランティア教室学習者は留学生よりも日本語能力が低いこと,接触場面に関して敏感でないことが示唆された。以上の知見から,共生的学習の推進のためには,日本語能力を高めること,接触場面への鋭敏さを養うことと同時に,日本人側の受け入れ体制の整備が重要であることが示唆された。
- 2004-06-30
著者
関連論文
- 意識的配慮の共生的学習に関する因果モデルの検討 : ボランティア日本語教室アジア系学習者の場合
- 非母語話者との会話における母語話者の言語面と意識面との特徴及び両者の関連 : 日本語ボランティア教師の場合
- 意識的配慮の共生的学習に関する因果モデルの検討 : アジア系留学生の場合
- 母国語話者と非母国語話者との会話における母国語話者の意識的配慮の検討