余のフロラの分布境界線に對する考え
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概要
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生物の分布境界線に関して, 大な関心をもたせるようになつたのは, ウオレスの研究に負うところが多く, 特にマライ群島を亜細亜につく地帯と, 濠洲につく地帯との二地域に分離するいわゆるウオレス線を見出したことは最も有名なことで, このウオレス線がもととなり, 世界の種々な所に生物の分布境界線がもうけられるようになつた。いわばウオレス線は, 生物分布境界線の代表, 或いは一つの模範を示すもののようになり, 日本の内又はその周囲にも多数のこの種の境界線が提唱され, また渡瀬線, ブラギストン線, 青木線, 宮部線, 細川線など, ウオレス線にならつてその提唱者の氏名をその線の上に冠したものも多数ある。ここでウオレスがこの境界線をどう考えているかをあきらかにするために, 氏のIsland Lifeの中より次の二文を抜出して見た。
- 日本生態学会の論文
- 1953-02-25