中小企業における情報システムのアウトソーシングとコア・コンピタンス : 日韓企業のケース・スタディー
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概要
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本稿は、情報システムのアウトソーシングが企業の競争優位の源泉であるコア・コンピタンスと関わる場合に、どのような条件の下でそれが可能であるかといった問題意識をもって、日本と韓国の企業を1社ずつ取り上げ、ケース・スタディーを行った。情報システムが企業の競争優位に関わるのであれば、それを受託したベンダーがその競争優位を自ら獲得し、委託企業の業務に参入できるかもしれないのである。ケース・スタディーの分析結果をまとめると、このようなアウトソーシングが成り立つためには二つの条件が必要であることが分かった。一つは、委託企業側が情報システム以外に、独自の企業間の関係や特許などを持っており、それがベンダーにおいて参入障壁として働いているという条件である。もう一つの条件は、委託企業がアウトソーシングする業務内容をすぐ内部化できないという条件がある。さらに、アウトソーシングが成功するための条件として、アウトソーシング契約の両者間の信頼をいかにして構築・維持していくか、またアウトソーシングの過程をうまく調整するためにいかなる管理を行うかという二つの点があることも明らかになった。
- 日本社会情報学会の論文
- 2004-09-30
著者
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