筋線維タイプと線維自発電位との関係 : ラットの脱神経筋における酵素組織化学的および電気生理学的検討
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概要
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これまでの臨床筋電図検査の経験から,脱神経筋から発火する線維自発電位(fibrillation potentia1)の発火率は筋の種類によって異なり,白筋は高率で赤筋は低率である,という印象を強く感じてきた.動物実験でこの印象の真偽を明らかにする目的で,ラットを用いて酵素組織化学的および電気生理学的検索を行った.69匹のラットの坐骨神経を切断して脱神経筋を作製した後,白筋(長趾伸筋,前脛骨筋,腓腹筋)と赤筋(ヒラメ筋)から単極電極針を用いて安静時電位を導出して,線維自発電位の発火率を算定した.このうち19匹のラットについてはATPase染色を行って筋線維タイプの構成比率を測定した.その結果,次のことが判明した.(1)線維自発電位の発火率は筋の種類によって異なり,白筋は高率で赤筋は低率であった(p<0.01). (2)白筋は赤筋に比べてタイプ2a線維と2b線維が占める割合が多かった(p<0.01).これらの事実から,ラットの脱神経筋において線維自発電位はタイプ2a線維と2b線維から多く発火し,タイプ1線維や2c線維からの発火は少ないことが示唆された.
- 1992-01-18
著者
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