Metabolic activation of ginsenoside against cancer : Intestinal bacterial deglycosylation and hepatic fatty-acid esterification
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概要
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人参(Panax ginseng C.A.MEYER;和名,オタネニンジン)は滋養強壮,造血,精神安定,腱胃整腸,微小循環の改善,免疫増強など多彩な薬効をもつことから古来より多くの疾患の治療に用いられてきた。人参に含まれる成分の解析が進むとともに,それぞれの成分の薬理活性に関する研究が行われ,代謝系,循環器系,消化器系,中枢神経系,及び免疫系に対する調節作用だけでなく,抗腫瘍及び抗炎症など,様々な方面で薬効を発揮することが実験的に証明されつつある。これらの解析は,主に人参から抽出されたエキス及びその主成分である人参サポニンを中心に行われた。現在,人参の薬効はその主成分である人参サポニンの作用に依拠すると信じられている。しかし,人参サポニンが経口摂取後,生体内でどのようにして活性を発現するようになるのかといった作用機序に関する系統的な研究はこれまでほとんどなされてこなかった。また,人参サポニンが腸内細菌によって代謝されることは知られていたが,その代謝物が薬効発現に関わっているのかどうか明確でなかった。そこで,人参サポニン,腸内細菌による代謝,代謝物の薬物動態,及び抗腫瘍効果の関係を検討した。その結果,人参サポニンは腸内細菌によって代謝され,吸収された後,組織内で脂肪酸抱合されることを見出した。また,人参サポニン自身には抗腫瘍効果はほとんどなく,代謝物に変換されることによって効果を発現すること,さらに,脂肪酸抱合によってその効果が増強されることも明らかにした。これらの結果は,人参サポニンの作用機序を理解する上で基礎となる発見である。
- 和漢医薬学会の論文
- 2001-12-31
著者
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Hasegawa H
Lao Institute Of Life Science Research Happy World Inc.
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HASEGAWA Hideo
lao Institute of Life Science Research, Happy World Inc.
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Hasegawa Hideo
Lao Institute Of Life Science Research Happy World Inc.