インターネットコマースの今後 : 事業化フェーズを迎えたエレクトロニック・コマース(<特集>「サイバーソサエティー」)
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概要
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インターネットを活用したEC(エレクトロニック・コマース)ビジネスを開発する上で、ふたつの大きな問題が明らかになってきている。ひとつは、電子ショップのあり方に関する問題であり、もうひとつは、ECビジネスのあり方に関する問題である。第一の電子ショップのあり方においては、現実世界のショッピングや通信販売のショッピングに対して差別化を図り、優位性を持った電子ショップを構築することが重要となる。特に、商品の「網羅性」や「検索性」という電子的メディアとしての特性を活かした電子ショップの成功に学び、今後のビジネス開発を検討することが重要である。また、第二のECビジネスのあり方においては、インターネットの双方向性を活かし、消費者と対話し、消費者と智恵の交換を行うことによって、これまでの事業構造を見直すことが重要となる。ECビジネスは単なる電子ショップ事業ではない。商品開発や商品流通に消費者のニーズを反映することによる他の企業との差別化を目指す企業にとっては、インターネットは最も有効なツールとなる。具体的には、ゲートウェイ機能、リンケージ機能、ハイタッチ機能を消費者に提供することが重要である。そして、それら三つの機能と電子ショップの販売機能を有する電子商業空間を創造することが、今後のECビジネスの成功と発展に向けての回答のひとつとなる。
- 日本社会情報学会の論文
- 1998-09-30