仮想社会実証実験プロジェクト(<特集>「サイバーソサエティー」)
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概要
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長野県上田市では、通産省のエレクトロニックコマース推進事業の一環として、仮想社会実証実験が行われた。本実証実験の目的は、ケーブルインターネットを利用して仮想社会を構築し、インターネットの現実的な有用性、ECビジネスの問題点と可能性、そして地域社会におけるECの諸問題を明らかにすることだった。本稿では、本実証実験で構築された上田地域仮想社会が現実社会にどのような影響を与えたかを、ワークスタイル、ライフスタイル、経済、社会、行政、教育の各分野からレポートしている。実験で構築された仮想社会は現実社会に様々な影響を与えていることが分かった。しかし、仮想社会はまだまだ未熟であって、今後の発展のためには、ECによるインターネットビジネスの発展、インターネットビジネスに積極的に参加するSOHOの興隆、ケーブルインターネットによるインフラの構築、法制度の整備、情報技術の更なる進化が望まれるであろう。こういつた課題が解決されてくると、仮想社会に参加する人々も増加し、仮想社会と現実社会がお互いに好影響を与え、双方が発展していくであろう。それが、社会全体の発展に繋がると思われる。
- 日本社会情報学会の論文
- 1998-09-30