国における情報管理の現状と課題
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概要
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総務庁のアンケートを素材にして、わが国の行政機関における情報管理の現状を分析し、文書事務の流れに沿いつつ、それぞれの視点を明らかにして、個別の問題点と改善方策を指摘した。その結果、共通的問題点は、文書の私物化、不要文書の氾濫、文書を管理する一貫したルールの不徹底、の3点に集約された。また、共通的改善方策として、文書管理の管理原則である"ライフサイクル原則"を確立し得るシステムであるファイリング・システムの導入の必要性が抽出された。かかる認識の下で、今後の課題として、情報管理の重要性認識とその理念の転換、情報管理の主管機関の強化と文書管理に関する法制化、ファイリング・システムの導入マニュアルの作成とモデル省庁への導入、の3点を掲げた。今後、情報管理の整備を前提とする情報公開を視野に収めると収めないとに関らず、国の行政機関の情報管理を全面的に見直し、如上課題に積極的かつ継続的に取り組む姿勢が必要であろう。
- 日本社会情報学会の論文
- 1988-09-20