デジタル著作権管理システム(DRMS)における制度的アプローチの研究 : PCを対象とした私的録音補償金制度の問題
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概要
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本研究はデジタル著作権管理システム(DRMS)における制度的アプローチとして,特に情報技術(IT)の発展に伴うパーソナルコンピュータ(PC)を対象とした私的録音補償金制度について議論する。最初いDRMSフレームワーク,そしてPCの機能分類,PCによる複製技術,DRM技術(著作権保護技術),私的録音補償金制度と共通目的事業の現状を示す。さらに,PCを対象とした私的録音補償金方式の検討と総額試算,著作物ライフサイクルを考慮した共通目的事業の拡張案について述べる。PCはメディア変換・再生機能,ストレージ機能,ネットワーク機能を持つ汎用デジタル複製機器であるPCを対象にした私的録音補償金において,ストレージ機能の範囲の制度化は妥当である。PCのストレージ機能を対象にした私的録音補償金制度は,完成品PCとCD-R/RWドライブが対象機器,CD-R/RWが対象媒体となる,PCを対象機器とした私的録音補償金制度の拡張の際に補償金総額から支出される共通目的事業範囲も拡大しえるという考え方を示した。これは,著作権利者・著作隣接権利者が著作物ライフライクルに関連する説明責任を担うことが著作権利者・隣接権利者の利益にもつながり,文化の発展に寄与しえるという考え方の提案である。最後にDRMSフレームワークにおける技術方式・市場方式・制度方式の視点から私的補償金制度についての評価および施行における検討事項を述べた。
- 2002-09-30
著者
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