天理教の台湾における伝道と受容 : 戦後の信仰形態の変容について(<特集>外から見た日本)
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概要
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本稿は天理教の台湾における布教とその受容過程を分析対象とする。それは近代日本と外なる世界との接触の一環をなしている。まず教義面においては、天理教は世界宗教への志向を内面に備えていた。ところが台湾進出という宗教行動を促した政治・社会的要因を検討していく中で、日本人による布教と台湾人信者の受入れかたが注目される。特に戦後一時的に日本人布教師が引揚げた間に台湾人信者によって守られた信仰の形態が、どのように変化したかは興味深い問題である。天理教は戦後、神名や参拝の対象や儀式を変えることによって台湾の民間信仰と結合していたことが調査によって明らかとなった。しかし、その後再び台湾進出をめざす天理教は、台湾の民間信仰に同化されてしまう危機を覚えて民間信仰の要素を排除しようとしている。以下では、宗教的権威の問題も絡めつつ、他者との差異と同一性をいかに克服するかに焦点をあてて記述を展開していく。
- 1989-12-30
著者
関連論文
- 天理教の台湾における伝道と受容 : 戦後の信仰形態の変容について(外から見た日本)
- 前山隆著, 『個人とエスニシティの文化人類学-理論を目指しながら』, 東京, 御茶の水書房, 2003年, 355頁, 5,500円(+税)
- 1.趣旨説明(グローバル化とアイデンティティ,テーマセッション3,「宗教と社会」学会・創立20周年記念企画,2012年度学術大会・テーマセッション記録)
- 天理教の台湾における伝道と受容--戦後の信仰形態の変容について (外からみた日本〔含 コメント・応答〕)