中国・広西北部龍勝県壮(チュワン)族の莫一大王祭 : 年中行事に現れた壮族文化の一側面
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概要
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中国南部, 広西壮族自治区を中心に居住する壮族は「漢化」の度合いの強い民族の一つとして知られるが, 従来の研究において未検討のまま残された課題が少なくない。たとえば次の課題である。(1) 漢族の政治・文化的影響が, いつ, いかなるプロセスを経て波及したのか。(2) 壮族史の潮流として漢化する方向に向かったものの, 現在壮族としての族籍を持つものについて言えば, 必ずしも独自の(もしくは非漢族的な)文化を全面的に喪失し漢文化に置き替えたわけではない。それならば社会や文化の構成要素のどの部分において, 漢族の影響を被りながらどのように独自性を保持しているのか。また, その場合, 地域差が見られるのか。本稿は, 壮族の年中行事に関する研究の一部であるが, それは, 筆者が従来, 歴史文献を駆使して行なってきた上記の(1)の研究の基礎の上に, (2)の課題に関して実地調査の方法をも併用して研究を行なう第一歩としての意味を持つものである。
- 日本文化人類学会の論文
- 1992-06-30
著者
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- 菊池秀明著, 『広西移民社会と太平天国』, 本文編, 1998年2月, 風響社, 605頁, 25,000円 / 史料編, 1998年2月, 風響社, 654頁, 25,000円
- 中国における民族間関係の動態 : 解説
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