日・米・英三国の飛行計画作成用上層風数値予報精度
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概要
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航空用上層風予報は国際民間航空にとって不可欠且つ最も重要な気象情報の一つである.筆者はそれらの提供(=航空会社での利用)段階における精度を,1989年10月から翌年9月迄の期間について調べた.対象とした予報は世界空域予報中枢(米国及び英国気象局)の航空用予報出力,及びそれに相当する気象庁全球モデルの予報出力の各24時間予報である.この調査では,洋上等の航空路に沿う地域も調べる為,検証用データとして気球による高層観測データ(=TEMP)の他,航空機による観測データ(=AIREP)を用いた.調査の結果以下が確認出来た.(1)日米英三国の飛行計画作成用上層風予報出力の予報精度に基本的な差はない.(2)予報精度は地域(路線)により異なり,例えば同じ洋上地域でも南半球の東太平洋は良く,北半球の東太平洋では相対的に精度が劣る.(3)地域(路線)によっては,TEMP及びAIREPで検証した結果相互間に著しい違いがあり,特に北太平洋でAIREPによる結果がTEMPによるものに比べて劣る.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1994-02-28
著者
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小野寺 三朗
日本航空(株)
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今井 信博
日本航空(株)システム開発部
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佐竹 一
日本航空(株)システム開発部
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長束 好規
日本航空(株)システム開発部
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斉藤 章
日本航空(株)システム開発部
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水野 洋
日航情報開発(株)運航整備システム部