スウェーデン国立録音点字図書館の視覚障害者サービス : 歴史・制度を中心に
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概要
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視覚障害者サービスでは, 直接サービスを行う図書館だけでなく, 関係機関と連携し, 全国レベルのサービスを提供する中心機関の役割が重要である。本稿の目的は, スウェーデンの国立の録音点字図書館を取り上げ, その成立過程と背景, 利用者層や公共図書館との業務分担等の中心機関としての特色について明らかにすることである。そのため, 図書館の歴史, 諮問委員会の報告, 社会福祉の基本理念等について考察した。その結果, 次のことが明らかになった。1)録音点字図書館は, ボランティアによる図書館として設立され, のちに視覚障害者団体の図書館となり, 事業の一部の国費負担を経て国へ移管され, 教育省管轄の国立機関となった。2)国の諮問機関の調査・報告を受けて, (1)録音図書の利用者層の拡大, (2)図書館の国への移管, (3)録音図書の製作・貸出の業務分担が行われた。3)社会福祉の理念や制度が視覚障害者サービスに大きな影響を与えている。
- 日本図書館情報学会の論文
- 2000-03-30