歴史の共通認識と国立国会図書館の役割:「戦争被害調査会法を実現する市民会議」の生成と展開
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概要
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厳密で総合的な研究こそ,信頼できる歴史認識の基礎となる。近年,グローバリゼーションの趨勢において,隣国との関係が緊密化すると同時に,かつての戦争の歴史認識が議論され,国家の行動たる戦争の様々な記録・資料の調査・収集・整理が求められてきている。このような課題に対して,小論では,社会教育学的視点から国立国会図書館の役割に注目し,国立国会図書館法の改正をめぐる議論,および改正を目指す市民の自己教育運動の過程と意義を考察する。そのために,国立国会図書館法の改正を提起して様々な活動を進める「戦争被害調査会法を実現する市民会議」を取り上げ,自己教育運動論の視点からその生成と展開を論じ,それがグローバリゼーションの進展下で国際的広がりを示している意義を示す。その上で,隣国との歴史の共通認識や共通教育が議論される状況に対して,戦争の記録・資料を調査・収集・整理・提供できるシステムを作るための国立国会図書館の役割の重要性を提示する。
- 日本図書館情報学会の論文
- 2003-02-28
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