バイオスフェアリザーブ (生物圏保存地域) と生物多様性
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概要
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地球上の総ての生命は互いに依存しあいながら生態系を織りなしている.無機的, 有機的要素が大気, 陸地, 海洋とともに相互に影響しあっているのはもちろんのことであるが, 多様な生物が構成する生態系は人類をはじめ, あらゆる生物にとってのかけがえのない住処でもある.いかに生物多様性を保全するかが, 今日の我々に課せられた最も重要な課題といえよう.生物多様性条約の前文には「生物多様性の保全のための基本的要件は, 生態系及び生息地の自然状態での保全であること」と書かれている.また「生物多様性の保全及びその構成要素の持続可能な利用に関し, 国, 政府間機関及び非政府部門の間の国際的, 地域的及び世界的な協力の有する重要性並びにその促進の必要性を協調し」とも書かれている.このように, 生態系の保全の重要性と持続可能な利用という二つの側面を統合しながら, 生物多様性をいかに保全するかという課題へバイオスフェアリザーブ(生物圏保存地域)はどのように役割を果たすのか, 日本におけるバイオスフェアリザーブの現状とあわせて論じたい.
- 野生生物保護学会の論文