樹齢の異なるカキ'富有'樹における器官別乾物重およびそれらと樹冠構成形質との相関

概要

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5年生, 10年生および24年生'富有'合計23樹を供試して, 樹齢, 樹冠構成形質および器官別乾物重の相互関係を検討した.樹齢が進むほど, 樹冠構成形質の数値および器官別乾物重が高くなった.乾物構成比については, 高齢樹は若齢樹より葉, 新梢, 細根の比率が小さく, 旧枝および太根の比率が大きかった.また, 高齢樹は若齢樹より台木部乾物重に占める細根乾物重の比率が低かった.T-R率は樹齢による差異が認められなかった.それぞれの樹冠構成形質と穂木部乾物重, 台木部乾物重との間に, 高い正の相関が認められた.幹断面積, 総新梢長, 葉数および葉面積は器官別乾物重との相関係数が高く, 樹冠占有面積は器官別乾物重との相関係数が多少低かった.幹断面積(X cm^2)に対する穂木部乾物重(Y kg)の回帰式は, Y=-3.577+0.230X(r=0.936)幹断面積(X cm^2)に対する台木部乾物重(Y kg)の回帰式は, Y=-1.708+0.128X(r=0.932)であった.穂木部乾物重(X kg)と台木部乾物重(Y kg)との間にも, 高い正の相関が認められ, 前者に対する後者の回帰式は, Y=1.029+0.529X(r=0.943)であった.従って, 幹断面積の測定により, 簡便かつ高い精度で, 穂木部材乾物重や台木部乾物重を推定することが可能であった.
園芸学会の論文
1999-03-15