投入有機物の種類と量が土壌理化学性ならびに温室バラの収量, 品質に及ぼす影響
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概要
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有機物の種類と投入量が土壌理化学性と温室バラの収量, 品質におよぼす影響を, 72cm×90cm, 深さ30cmの木箱栽培方式で4年間にわたって調査した.黒ボク土壌に牛ふん堆肥とかんなくずを容積で1対1に混合した混合堆肥ならびにバーク堆肥を容積比でそれぞれ70, 50, 30%混入した区およびピートモスを50%混入した区の7区を設け, 'ブライダルピンク'を供試し, 有機質肥料主体と化成肥料利用の2つの施肥区を設けた.1年目の切り花本数, 切り花茎長には有意差がなかったが, 2年目には混合堆肥の70%, 50%区で切り花茎長が有意に劣った.混合堆肥, バーク堆肥の50%以上の大量投入区では床土容積の減少が顕著で, 満2年経過後の植え替え時にバーク堆肥で減少分を補った.混合堆肥, バーク堆肥の30%区とピートモス50%区は有機物補充をしなかった.3, 4年目の収量は有機物補充をしなかった区でやや少なかった.土壌中の無機成分濃度は牛ふん堆肥を50%含む混合堆肥の投入量の多い区ほど高く, 投入有機物中の無機成分が土壌養分濃度上昇の大きな要因となることが明らかであった.施肥法では1年目は有意差がなかったが, 2年目には化成肥料区の方が切り花本数が多かった.本栽培方式では, 通常のかん水時にもかなりの量の無機成分の溶脱が起こっており, また, 栽培途中および改植時の大量かん水による除塩も, 効率的に行えた.供試有機物について, 土壌の通気性を中心に土壌物理性改善の持続効果を継続調査した結果, ピートモスがもっともすぐれており, バーク堆肥がこれについだ.混合堆肥区の牛ふん堆肥は腐熟, 分解が早く, 大量に投入した区ほど低水分張力条件下での気相率の減少が目立ち, 耐久性に問題があることが判明した.
- 園芸学会の論文
- 1998-03-15
著者
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