作期移動による日本水稲品種の出穂期変動の解明 : II. 自然温度と日長の影響
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概要
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作期移動による日本水稲品種の出穂早晩性の変動に及ぼす自然温度と日長の影響を,早晩性の異なる6品種について4作期で調べた。北緯36度にあたる筑波の8月1日頃に相当する薄明・薄暮の各15分を含む14.5時間日長区を設定した。自然温度の影響は,14.5時間日長区内における到穂日数の作期間差異とし,自然日長の影響は,同一播種期における自然日長区と14.5時間日長区の到穂日数の差として表わした。5月26日播の普通期栽培を基準とした場合,4月16日播の早期栽培では,全品種とも8月1日以前の長日よりも5〜6月の低温の影響により到穂日数が長くなった。一方6月15日播の晩期栽培では,感光性の高い品種群に。おいて,7〜8月の高温よりも8月1日以後の短日により到穂日数が短縮した。また個々の品種間変動については,感光性が低い早生群では,レイメイは,ホウネンワセよりも感温性カミ小さいために,低温期間の長い早期栽培ではホウネンワセよりも早く出穂し,低温期間の短かい晩期栽培では遅く出穂した。一方,感光性が高い晩生群では,日本晴はワカゴマよりも感光性がわずかに高いために,長日条件の早期栽培ではワカゴマよりも遅く出穂し,短日条件の晩期栽培では早く出穂した。
- 日本育種学会の論文
- 1984-03-01
著者
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