トウモロコシの11自然受粉品種のダイアレル交雑から得られた6つの異なる型の間の特定組合せ能力
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概要
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トウモロコシの一代雑種育種では,一般組合せ能力に対する改良と並行して,特定組合せ能力(SCA)の高い組合せの選定が必要となる。しかし,両親のSCAを適確に予知する方法は現在のところ十分に確立されていない。経験的に,遠縁の組合せ程SCAが高い傾向にあることが知られるため,地理的分布や形態的特性の違いによる分類結果や,育種の系譜を参考にして近縁関係を推定し両親組合せを決定している。SUTOら(1956)は,アジアに分布するフリント種を5つの型に分類した。これにアメリカデント種を加えた6つの型が日本における主た育種材料である。本研究の目的は,これら6つの型の間のSCAについての関係を明らかにし,一代雑種育成における両親決定上の一助にしようとした。 6つの型に属する11の自然受粉品種を選び,それらの間のダイアレル交雑の子実収量を検定した。さらに,ダイアレル分析から得られたSCA効果によって,異なる型の間のSCAについてその相対的大きさを比較した。 その結果,(1)異なる型に属する品種組合せ,特にフリント種とテント種との組合せにおいて収量およびSCA効果が高い傾向にあり,多収一代雑種が得られることが推測された。(2)カリビア型とアメリカデント種との組合せおよびペルシア型と他の型との組合せにおいて高いSCAが認められた。(3)本研究で得られたSCA効果と,従来の分類結果から推定される型の間の近縁関係との間に密接た関係が認められた。そのため,SCA効果に基づいた型の間の近縁関係の推定を試みた。
- 1984-03-01