越谷市に見られるヒートアイランド強度 : 郊外が水田の場合
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概要
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郊外に水田域が広がる都市のケーススタディとして,埼玉県越谷市において自動車の移動観測により気温分布が延べ11日にわたり43回調べられた.その結果,次のことが明らかになった.ヒートアイランド強度は水田に水が張られている夏季では日中に,それ以外の季節には夜間に大きくなる.特に夏季の昼間に4℃程度のヒートアイランド強度が観測され,これまで軽視されがちであった「昼間のヒートアイランド」の重要性を示した.夜間の中では,日の出時刻前後より真夜中にヒートアイランドは強く出現した.また,都市と郊外の年間を通した気温差の最大値は冬季に出現し,その大きさは5.5℃であった.この値は福岡(1983)らの研究成果における日本の人口30万規模の都市のヒートアイランド強度の約2倍になり,西欧型の都市に相当する.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1994-09-30
著者
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