ドップラーソーダの上層風観測装置としての実用性評価
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概要
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ドップラーソーダを原子力発電所に設置して1年間の実証試験を行い,上層風観測装置としての実用性を評価した.高度100mの風向,風速の年間の欠測率は1.3%と国の「気象指針」で決められた10%以下を充分に満たした.風速に関し,ドップラーソーダによる測定値と気象観測鉄塔に取り付けられた超音波風向風速計による測定値とを比較したところ両者の値は良い相関を示した.また,風速の異常値は降雨時に年間7時間出現したが,その際,特徴的な2山型のスペクトルが観測されることから動作ソフトの改良等によって,異常値を排除できる可能性を示した.一方,風向の比較にみられる1方位のずれが,装置を設置した発電所構内の複雑な地形の影響によるものであることを明らかにした.周波数2,400Hz,出力150wのドップラーソーダの送信音は周辺環境への騒音とはならず,観測高度が100〜160m程度であれば比較的小さな出力でも充分に実用可能であることが判った.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1993-07-31
著者
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