イネの長稈誘発突然変異体における形質変異

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水稲農林8号種子の^<32>P,X線,γ線,エチレンイミンおよびエチルメタソスルフォネート処理によって誘起された長稗突然変異体8系統および原品種を3反復の乱塊法配置,25×15cmの栽植密度で栽培し,稈長,節間長など14形質について調査した。供試した突然変異系統のうち,6系統では1%水準で,2系統では5%水準で,稈長が原品種より有意に増加していた(Fig.1)。節間伸長のパターンは突然変異系統間で異なり(Fig.2,3),節間長および節間数の稈長に対する寄与の原品種との比較により,長程突然変異系統を"上部伸長型","下部伸長型","多節型","正常型"(全節間が均等に伸長する型)の4つの型に類別した。ほとんどの長稈突然変異系統で,第3および第4節間長が増加しており,程長と第3および第4節間長の問には,有意な正の相関が認められた(Tab1e2)。稈長と第1および第2節間長との間の相関は低かった。近接した節間の問には正の相関があり,同時期に伸長する節間は相伴なって突然変異遺伝子の支配を受けていることを示唆した。同調的に伸長することが知られている穂長と第2節間長との相関も高かった。1系統を除く7長稈突然変異系統の幼苗長と原品種のそれとの間に有意な差は認められなかった(Tab1e3)。移植後35日から成熟期に至る問の8生育時期で草丈を測定し,伸長曲線を求めたところ(Fig.4),移植後35日目から長稈突然変異系統の草丈は原品種と有意に異なり,以後の草丈伸長の様相も原品種と異なった。草丈伸長の原品種との差は晩生化を伴なう突然変異系統でとくに顕著であった。明(2000ルックス),暗条件下での種子根の伸長を調査した結果,すべての長稈突然変異系統の種子根長はいずれの条件下でも,原品種より小さかった(Table3)。出穂日,穂数,止葉葉身長,穂首抽出長,一次枝梗数,一種頴化数,稔実率,種重,千粒重などの調査したいずれかの形質について,長稈突然変異系統は原品種と異なっていた(Tab1e3)。
日本育種学会の論文
1978-09-01

イネの長稈誘発突然変異体における形質変異

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