タバコ属植物のサツマイモネコブセンチュウ抵抗性
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概要
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タバコ属植物63種,85系統のサツマイモネコブセンチュウ(Meloidogyne Incognita)に対する抵抗性を27℃と35℃の土壌恒温槽で幼苗検定した。タバコの対照品級として高度抵抗性のNC95,中程度抵抗性のRK70および罹病性のBY4号を供試した。根に侵入した線虫の発育程度をCHRISTIE(1946)の分類に従って調査Lた結果,タバコ属植物の抵抗性を次の3群に明確に分類できた。1)NC95と同様に,27℃で,根の過敏性反応によって侵入した線虫の発育を完全に阻止する高度低批性群。Nicotiana arentsii No.1およびN,tomentosa N0.3,N0.5が属する。2)RK70と同様に2℃では,侵入した幼虫の80%以上の発育を抑制する中程度抵抗性群。これにはN.knightiana No.1,N.longifiora No.4,Nmegalosiphon No.3,N.miersii No.1,N.nudicaulis N.o1,N.otophora No.1,No.2,N.paniculata No.2,No.3,N.plumbaginifolia No-2,No.3およびN.suaveolens No.2,No.3が属する。3)両温度条件下で,BY4号と同様に線虫の発育早く,他群の種に比べて産卵成虫の割合が極めて高い罹病性群。これには上言己以外の供試した全部の種が属する。高度抵抗性群の2種は,NC95と嗣様に,35.Cの高温下ではその抵抗性の程度が低下し,多数の根こぶと卵嚢が形成された。また,RK70の抵抗性も35.Cでは低下したのに対し,中程度抵抗性群に属する全種の抵抗性は低下せず,RK70よりも安定していた。
- 日本育種学会の論文
- 1977-09-01