葯培養によるタバコ半数体形成における花粉間競合 : II.タバコモザイクウイルス(TMV)および野火病抵抗性、葉色形質ならびに葉柄の有無による解析
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概要
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葯培養による半数体形成において、本技術が遺伝子分析に有要な手段となり得るかいなかを検討するため、本実験を行なった。Nicotiana tabacum L. の栽培品種間の五つの雑種F_1すなわちOne-Sucker×Burley 21、Golden Cure×Burley 21、Bright Yellow 4×Burley 21、Hicks 2×Burley 21およびNFT 706×Burley 21から育成した半数体におけるTMVおよび野火病抵抗性、葉色形質ならびに葉柄の有無の分離比を期待値と比較した。TMVおよび野火病抵抗性のいずれも期待値(1:1)に対して、高い適中率を示した。またこれらの半数体は、緑色と白色形質を3:1の期待値で分離した。葉柄の有無に関しては、Bright Yellow 4×Burley 21およびHicks 2×Burley 21からでは、無柄:有柄を期待値の3:1で分離したが、NFT 706×Burley 21では、1:1の期待値で分離した。葯培養による幼植物の形成は、五つのF_1の雑種において、同じように行なわれた。白色性の幼植物の形成が見られたが、分離比に影響を及ぼさなかった。これらの結果から花粉間に競合が存在しないことが明らかにされ、本技術が遺伝子分析に用いられ得ることが判明した。
- 日本育種学会の論文
- 1972-04-30
著者
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