生育期間の分割によるコムギの早熟化の評価
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概要
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わが国コムギ品種・系統がもっている早熟性の特性を再評価することによって,早熟化の可能性を見出そうとした.すなわち,コムギの全生育期間を播種〜茎立,茎立〜出穂,出穂〜開花,開花〜成熟期の4つの期間に分割して,個々の期問の短い品種・系統の遺伝特性を育種的に集積することにより,早熟化の可能性を検討した.コムギ農林登録品種とその系譜上の計296品種・系統について,茎立,出穂,開花,成熟期を2ケ年圃場調査した.同一出穂期および同一成熟期の品種問で,茎立期および開花期に早晩があり,その結果,同じ生育環境下で4つの生育期間に品種間差異があることを認めた.茎立期あるいは出穂期とその後の各生育期間との間には,高い負の相関関係が認められた.しかし,この関係からはずれた各生育期間の短い有用育種素材を選定することができた.これらの育種素材の組合せにより,生育期間の短い遺伝特性が組換えられたと仮定しても,農林61号より1週間程度早熟な実用品種の育成が限界であるとみられた.さらに早熟化のための育種方法を考察した.
- 日本育種学会の論文
- 1985-06-01
著者
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