キクの白さび病抵抗性育種に関する研究
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概要
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わが国の重要花きであるキクの白さび病抵抗性育種を進めるため,病葉つり下げ接種による低抗性の検定法を開発し,生育時期および菌株による抵抗性の変動,抵抗性による種および品種の類別,ならびに抵抗性の遺伝について検討Lた。低抗性を早期にかつ正確に判定するため,生育時期による抵抗性の変動を調べたところ,幼苗期と開花期の検定結果はよく一致し,幼苗による早期検定の可能なことがわかった。また,低抗性品種の罹病化に関する知見を得るため,6種類の菌株に対する40品種の反応を検討したところ,品種の抵抗性反応は菌株によって異なり,菌の寄生性分化が確認された。菌株の寄生範囲には広狭の差があり,一方,品種には,菌株によって抵抗性反応の変動するものと,いずれの菌株にも抵抗性を示すもののあることが判明した。母本選択と防除対策の情報を得るため,代表的な菌株を接種源とし,キク属植物19種および切花ギク250品種の幼苗検定を行った結果,本病低抗性には顕著な種間ならびに品種間差異があり,抵抗性の程度によって5群に類別することができた。さらに,低抗性の遺伝に関する知見を得るため,寄生範囲の異なる2菌株を接種源に用い,低抗性程度の異なるF_124組合せの幼苗検定を実施したところ,両菌株とも,F_1における抵抗性個体の出現頻度には正逆差がたく,両親とF_1個体との抵抗性の間には密接な平行関係が認められた。以上の結果から,病葉つり下げ接種による幼苗検定法を活用し,適当な母本と菌株を選択することによって,本病抵抗性育種は効率よく遂行できるものと思考される。
- 日本育種学会の論文
- 1981-06-01
著者
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