栽培稲および野生稲のいもち病抵抗性に関する研究 : I.いもち病菌4菌糸に対する葉いもち病抵抗性
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概要
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(1)世界各地より蒐集したO.sativaに属する357品種,O.glaberrimaに属する50品種および野生稲12種に属する38系統について病原性を異にするいもち病菌3または4菌糸を噴霧法または注射法によって接種し,幼苗における葉いもち病の低抗性を検定した。(2)第3〜6表に示した如く,3または4菌糸に対して異った反応を示す多くの品種が見出された。すなわち,東南アジア諸国から導入されたO.sativaに属する大部分のIndia typeの品種,および,O.glaberrimaに属する多くの品種は3菌糸の総てに対して高度の低抗性を示すのに多くの日本品種およびタイワン,アメリカ,フィリッピンおよびエジプトより導入されたJaponica typeの品種の多くは3菌糸の総てに対して罹病性である。(3)野生稲のそれぞれの種に属する系統間には抵抗性に著しい差が認められる。これは種のゲノム構成と低抗性との問に特異な関係のないことを示している。(4)以上の諸事実はいねのいもち病抵抗性品種の育成に際して多くの菌糸に対して,低抗性を示す品種からそれに関与する遺伝子を導入することが重要であることを示している。
- 日本育種学会の論文
- 1964-03-25
著者
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