てん菜の人為四倍性系統における異数体の出現とその平衡について
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概要
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1.欧州産のてん菜倍数性品種6種より四倍体を分離し,その後代の染色体数の変異を観察した。2.正四倍体の次代染色体数は4x±3の範囲であるが4x±1の異数体が主として出現した。その頻度は母系統間では2.5〜62.5%で著しい変異があり原品種毎では8.1〜36.5%であった。3.異数体と正四倍体との交雑後代には20〜70%の異数体が出現するが,染色体数の変異の巾は正四倍体の後代と比較して広がらない。4.供試欧州産倍数性品種の二倍体には異数体が無く,三倍体,四倍体には夫々7.1〜13.2%,16.6〜30.4%の異数体が含まれる5.四体性異数体は一般に正四倍体に比して生育が劣り,四倍性系統の収最低下の原因の一つとなっている。6.てん菜の四倍性系統では正四倍体からの異数性化と異数体からの正倍数性化が働き異数体と正四倍体の比率はある世代を経過すれば平衡に達するものと認められる。現在の倍数性品種の交雑親として用いられている四倍性系統内の異数体頻度は既に平衛に達しているのであろう。
- 日本育種学会の論文
- 1965-12-25
著者
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