コカブの育種に関する研究 : 第1報 遺伝力と優性度の推定
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概要
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コカブの一品種である金町小蕪を用いて,集団内における選抜の効果を検討する目的で,主要な量的形質である,全重,葉長,葉数,頸部の太さ,根部の横径,根部の縦径,根形指数,直根の太さ,について,遺伝力と優性度を推定した。即ち,金町小蕪の放任授紛の集団内でbiparental crossを行い,その次代の系統による分散分析からと,花粉親と子,雌親と子,の回帰から,遺伝力を推定した。又,優性度は,COMSTOCK等の方法によつて,"a"=√<2(F-M)/M>,および,σa^2/σg^2より推定した。推定した遺伝力の値は,全重と根部の横径では,0に近い極めて小さい値であり,その他の形質では,37〜66%と推定される根形指数以外は,5〜20%の低い値が推定された。又,三つの方法から得た推定値は,かなりよく一致していると考えられた。更に優性度は,根形指数では優性が働いていないと考えられ,その他の形質ではこの優性度は,この推定法による過大評価が考えられるとしても,超優性か完全優性,或は極めて完全優性に近い部分優性が働いていると思われた。従つて,根形指数以外の形質に対する選抜の効果は,遺伝力も低く,更に超優性と考えられるような優勢度が働いていると思われるので,期待することが出来ない。
- 日本育種学会の論文
- 1960-06-20
著者
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