えん麦における水分要求量と水分経済の品種間差異
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概要
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形態的特性の異なるえん麦9品種の水分要求量と水分経済性の差異について1955年と1956年の量年にわたり水耕栽培法により調査し次の結果を得た。全育成期間にわたつて吸収した総吸水量,すなわち水分要求量について調査したところ,両供試年の気象条件の隔差がはなはだしいため両年の結果は著しい相違をきたしたにもかかわらず,水分要求量と水分経済の品種間差異は一貫して認められた。しかし,両者の品種順位は一致しなかつた。供試品種の水分経済性をTukeyの統計的手続きを適用して四つの群に区分することができた。水分要求量または水分経済と諸形質との間の相関を求めたところ,水分要求量と稚苗期の草型(叢性)との間に有意な相関が認められ,ほふく型の多けつ性品種が直立型の茎数の少ない品種に比較して吸水量の多い傾向がうかがわれた。しかし,水分経済についてはこれと同様の関係は見出しがかたつた。
- 日本育種学会の論文
- 1960-03-20