家鶏の産卵形質における遺伝と環境との相互作用について
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概要
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家鶏の能力検定に際して,それが後代検定であれ,姉妹検定であれ,娘鶏を異なるいくつかの検定場において検定し,それらを綜合して選抜基準とすることは,わが国の如き小規模な施設において必然的に起る問題でありこの際,環境と遺伝子型の間の相互作用や検定場の差は選抜の効率に大きく影響を与えるものである。この問題を究明すべく,合計1580羽から成る横斑ロック種の集団において,孵化後500日間の産卵指数と性成熟日令に関して分析が行われた結果,場所の差に起因する分散は可成りに大きいが,環境と遺伝子型(半姉妹平均)との相互作用は,両形質において,実質上零に等しく,選抜に際して多くの検定場において得られた記録に基づいて選抜して差支えないことが明らかになつた。この際検定場の平均に対する偏差として全記録を表示すべきことが示唆される。また他方2月上旬から4月下旬までに孵化した15羽の父家系に属する970羽について,孵化時期と遺伝子型との間の相互作用存在の有無について分析された結果は産卵指数について父家系平均と孵化時期との間の相互作用は極めて有意であつた。性成熟日令に関しては,しかしながら,有意な相互作用は得られなかつた。これら相互作用の存在の意義と,家鶏育種のいろいろな方法との関係について考察が行われた。
- 日本育種学会の論文
- 1960-03-20
著者
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