放射線処理による稲熱病抵抗性の変異
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概要
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1.稲熱病に感受性の稲品種台中65号にCo^<60>(11Kr),X線(20Kr,25Kr)及び熱中性子(15時間,20時間)の照射を行つた。処理後,無選抜で繁殖したR_5系統Co^<60>とR_3集団(その他)を台湾台中県東勢の稲熱病劇発地帯で試験し,罹病程度を無処理の対照区と比較した。2.放射線照射を受けた集団には抵抗性増加の方向に連続的に変異の幅の増大が見られた。無処理区の植物は甚しく罹病または枯死したが,処理区の一部の植物は中等程度の抵抗性を示した。3.1958年第一期作において選抜された抵抗性系統は第二期作にもある程度の抵抗性を示し,この際の遺伝力は13〜24%と推定された。これらの事実からこの場合の稲熱病抵抗性の変異の増加はポリジーンの突然変異によること,放射線処理は抵抗性の改良に役立つことなどが指摘された。
- 日本育種学会の論文
- 1960-03-20