プロピザミド処理したヘメロカリス懸濁培養細胞からのマイクロプロトプラストの単離とその特徴
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概要
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マイクロプロトプラストを用いた非対称融合により,ユリ科花卉園芸植物において属間の染色体添加系統を作出することを目的として,微小核を形成したヘメロカリス`ステラ・デ・オロ'(Hemerocallis hybrida cv. Stella d'Oro)の懸濁培養細胞からマイクロプロトプラストを単離する方法を確立した.培養細胞を2mMハイドロキシウレア(HU)で24時間,その後8μMプロピザミド(PRO)で60時間処理し,さらにPRO処理を開始して20時間後に20μMサイトカラシン-B(CB)を添加することにより,微小核の形成が効率的に誘導され,そのときの微小核形成率は19.1%であった.微小核を形成した細胞を細胞壁消化酵素溶液で処理し,単離されたプロトプラストをパーコール連続密度勾配を用いて超遠心分離を行うことにより,わずかな細胞質に囲まれた小核をもつマイクロプロトプラストが単離された.それらを孔径50,20および10μmのナイロンメッシュに連続して通すことにより,直径10μm以下のマイクロプロトプラストが1ml圧縮細胞量の培養細胞あたり2.9×10^4個得られた.フローサイトメトリー分析により,それらのマイクロプロトプラストは2Cレベル以下のDNA量をもち,それらの一部の核の相対蛍光強度は,1から数本の染色体のものに相当することが示された.
- 2002-03-01
著者
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