桑の液体培養による胚横体の誘導
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
桑品種MR_2の胚軸由来カルスを懸濁培養して胚横体を得た.まず2,4-D1mg/1とベンジルアミノプリン(BAP)O.5mg/lを含むMS寒天培地(0.8%)でカルスを誘導した.づいてそのカルスを,種々の濃度(O.1-1.0mg/l)の2,4-Dを含むMS液体培地に移し,1週間ごとに継代培養した.各段階の胚横体が観察された.懸濁培養中の細胞は細胞質に富み,分裂してフィラメント状構造になった.これらはさらに分裂を続けて球状体やハート状体にまで発育した.2,4-D0.5mg/lを含む液体培地は,高頻度で胚横体を誘導ために必須であったが,それより低濃度(O.1-O.2mg/l)または高濃度(1.0mg/l)では,根やカルスを形成した.2,4-Dを含む液体培地では,ハート状体をさらに発育させることはなかった.