ラッカセイ(Arachis hypogaea L.)の懸濁培養による不定胚誘導と幼植物体形成

スポンサーリンク

概要

論文の詳細を見る
2,4-D,NAA,BAPを含むMS液体培地で,ラッカセイ(Arachis hypogaea L.)の未熟葉由来カルスから,懸濁培養系を誘導した。この懸濁培養細胞を,2,4-D(1〜5mg/l)とBAP(1mg/l)を含むMS液体培地(不定胚誘導培地)に移植して7日間培養すると,多数の不定胚が分化した。将来不定胚になる細胞は,分裂して球状あるいは繊維状の前歴を形成したが,繊維状の前歴は胚とは異なる形のものへ発育した。前胚期に始まった不定胚形成は,球状胚を経て子葉胚へと進み,正常な形態形成をたどって不定胚が形成された。不定胚形成の頻度は遺伝子型と用いたオーキシン濃度に依存していた。この方法で,頻度は低いが,正常な植物体が得られた。このプロトコールは,細胞選抜系から病害抵抗性植物や耐塩性植物を作出するのに利用できる。
日本育種学会の論文
1998-09-01

著者

関連論文

スポンサーリンク