水稲成分育種のための希塩酸抽出による玄米マグネシウム,カリウム分析法
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概要
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塩酸に玄米粒を浸漬すると,塩酸濃度を増すにしたがって,また,浸漬時間を長くするにしたがって玄米中のマグネシウム,カリウム抽出量が増加し,玄米粒の発芽能力は低下した.塩酸濃度および浸漬時間を検討した結果,室温で0.36Nの塩酸に玄米粒を60分間浸漬し,引き上げて直ちに蒸留水で洗浄したところ,供試した玄米粒の80%以上が発芽能力を維持していた.また,マグネシウムは全量の8-10%,カリウムは全量の15-17%が抽出された、この方法により,食味関連ミネラルと言われているマグネシウムおよびカリウムの非破壊・迅速分析が可能となり,本方法は個体当たりの種子量が極めて少ない水稲育種の初期世代における選抜手法として有効であると考えられた.
- 日本育種学会の論文
- 1996-09-01