簡単大気海洋結合モデルのスローモードについて : 海面水温と大気加熱の間の東西方向の位相差に対する感度
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概要
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長い時間スケールを持つ結合モード(いわゆる"スローモード")のメカニズムを海面水温と大気加熱の間の東西方向の位相差に関連して理解するために、大気海洋結合モデルの固有モード解析をおこなった。スローモードの振動数および不安定性の双方とも海面水温と大気加熱の間の東西方向の位相差に大変敏感である。正の大気加熱が正の海面水温偏差に対し西1/4波長から東1/4波長の間に位置するとき、スローモードは東へ伝播する不安定モードとなる。大気加熱がこれより東方へずれると、強制ケルビン波に似た東進波は減衰モードとなる。一方、加熱が海面水温より1/4波長以上西にずれるとスローモードは西へ伝播する不安定モードとなる。この西進波は強制ロスビーモードに似ている。東進および西進スローモードの海面水温変化をもたらす主要因は、それそれ躍層深度および海流による東西移流の変化である。海洋の赤道波の位相速度を無限大とするいわゆる"fast-vave リミット"および非回転系の近似のもとでのスローモードについても言及される。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 2000-04-25
著者
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