オゾン分布といくつかの物理過程に対するAGCMシミュレーションの感度
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概要
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いくつかの重要な物理過程パラメタ化に対する大気大循環モデル(UCLA AGCM)の成層圏循環の感度を、北半球冬季循環に焦点を当てて調べた。まず、オゾン混合比のパラメタ化を、観測気候値を与えた場合と光化学過程により予測した場合とを比較した。オゾン混合比を与えた場合には、いくつかの領域で精度が落ちるものの、はるかに現実的な循環場が得られた。次に放射過程のパラメタ化を調べた。上部成層圏でより現実的な放射冷却率となる調節を加えて北半球冬季のシミュレーションを行った。成層圏極夜ジェットのシミュレーションはこれらの調節に敏感であることが分かった。レイリー摩擦とニュートニアンの冷却を加えた追加実験でも似たような感度が得られた。これらの実験の結果はモデルにその場しのぎの調節を用いることは注意しなければならないことを示している。またAGCMの成層圏のパフォーマンスは、モデルの多くの異なる部分に依存しており単純でないことも示している。本研究の結果は下層でのドラッグを無視するか過小評価する地形性重力波ドラッグ・パラメタ化に上層でのドラッグを過大評価するという考えを支持している点について議論する。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1998-10-25
著者
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Kim Young-joon
カリフォルニア大学大気科学部:(現)jet Propulsion Laboratory Califormia Institute Of Technology
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Farrara John
カリフォルニア大学大気科学部
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Mechoso Carlos
カリフォルニア大学大気科学部