梅雨前線上のポテンシャル渦度偏差とメソスケール対流系
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
梅雨前線上の下層のポテンシャル渦度の極大の不安定によってメソスケール対流系が発生することを提案した。もっとも不安定な波動の1日スケールの成長率は積雲の加熱の強さに依存する。積雲の加熱のパラメータが臨界値よりも小さい場合には、波動はポテンシャル渦度偏差の前線に直交する幅の8-15倍の波長を持ち、対流で変形されているものの順圧不安定的な構造を持つ。一方、パラメータが臨界値よりも大きい場合には、波動はほとんどのエネルギーを積雲の加熱からもらい、その構造は積雲の加熱だけで作られるものと同じようになる。この場合のもっとも不安定な波動の波長は1700-2100 kmであり、ポテンシャル渦度偏差の幅にはほとんど依存しない。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1996-12-25