日本周辺における11年周期太陽黒点変動のシグナル
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本周辺域の, 下部成層圏等圧面高度場と11年周期太陽黒点変動の間の相関の特徴は, 以下のようにまとめることができる. 最も相関が高い領域は, アジアから西太平洋にかけての経度域では解析期間によってかなり変動するのに対し, その他の経度域では比較的安定して存在している. この高相関域の変動は, 相関値そのものも中央アジア亜熱帯域の方が同緯度帯の他の経度域より変動しやすいという事実と相まって, 長期間の相関の空間構造に大きな東西非対称性をもたらしている. さらにこの変動は, 同じ領域における総オゾン量と太陽活動度の間の相関分布にも大きな変動を作り出すと考えられる. これは, オゾンと太陽活動度の間に見られる高相関の中心軸の位置が, 太陽活動度と下部成層圏高度場の高相関の位置と密接に結びついているからである.
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1996-08-25