夏季中国降水量と熱帯西部太平洋海面水温との関係
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概要
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1951〜1990年のデータを用いて, 中国大陸160地点における夏季平均(6〜8月)降水量と熱帯西部太平洋海面水温(SST)変動との関係について調べた. 降水量-SSTの相関はSSTの地域によって大きく変化する. 降水量と最も大きな相関を持つ海面水温領域は10-20゜N, 120-130゜Eで, 揚子江流域の降水量と正相関, 淮河流域の降水とは負相関を持つ. しかし, 0-10゜N, 130-140゜Eの海面水温との相関は低く有意性がない. 今回の解析期間に関しては, 南方振動指数と降水量との関係は弱い. 以上の結果はこれまでの短期間の解析結果と異なっているが, これは降水量と海面水温との関係は数十年規模で変化していることによると思われる. 特に両者の関係は1970年頃を境に異なっている.
- 1996-04-25