赤道波と結合した大規模雲擾乱 : Part I 雲擾乱のスペクトルの特徴
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概要
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熱帯海洋上の大規模積雲対流システムの時空間スペクトルの特徴を調べ、大気の赤道波の観点において分類した。解析には1981-1989年の3時間毎の気象静止衛星「ひまわり」の赤外データを用いた。雲-大気結合システムのいくつかの特徴的な性質が求められた。解析期間の全平均的な特徴として、明瞭なスペクトルの振幅がケルビン波、西進混合ロスビー重力波、n=1ロスビー波およびn=1西進慣性重力波として同定された。また、n=0東進重力波およびn=2西進慣性重力波の存在も示唆された。雲擾乱の周期-波数関係からさまざまなモードに共通した相当深度15-30mが得られた。一方、雲のスペクトルの緯度分布からは独立に赤道変形半径〜7゜が推定された。この変形半径の値は上記の相当深度とよく一致している。さらに、卓越する雲擾乱の季節変化およびその平均風分布との関係を記述した。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1994-06-25