気象衛星NOAAのsplit windowデータを用いた陸域の可降水量の見積り法
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概要
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気象衛星NOAAのsplit windowデータ(11μmと12μm)を用いた陸域の可降水量を見積もるアルゴリズムを開発した。この見積り法は観測された2点の11μm帯と12μm帯の輝度温度の差の比が水蒸気による11μm帯と12μm帯の透過率の比に等しくなることを利用している。アルゴリズムは、主に二つの過程からなる。最初に、雲などの影響が少ない信頼度の高い画素を選び出しJedlovec(1990)の方法で可降水量に換算する。次に、衛星データから求めた大気の平均的な気温とモデル大気の平均的な気温を利用して大気温度の補正を行う。このアルゴリズムを用いて、約33km×33kmを単位とする領域の可降水量が見積もれ、サブグリッドスケール以下の雲の影響と気温の影響が低く抑えられる。気象ゾンデから求めた4事例の可降水量と衛星から得られた可降水量を比較した結果、両者の差は2.5mm以下と非常に良い対応が得られ、このアルゴリズムの有効性が示された。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1994-04-25
著者
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