夏季モンスーンオンセット渦の線形非線形論的研究
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概要
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モンスーンオンセット渦と上部対流圏の偏東風波動の発達に関して3層線形プリミティブ方程式を用い、バロトロピック不安定・バロクリニック不安定について湿潤対流と非地衡風の効果に重点をおいて調べた。また、パラメタライズされた積雲加熱を加えた5層非線形プリミティブ方程式を用いモンスーンオンセット渦の発達とエネルギー変換についても理想化された条件のもとで調べた。線形論では、観測されているモンスーンオンセット渦と類似した水平スケール・構造・成長率を持つ下部対流圏モードが得られた。このモードは北緯10度付近に振幅の最大値があり3500kmの水平波長を持ち、doubling timeは7日であり1m/sの西進速度を持っている。また、2つの上部対流圏モードも発見され、これらは構造や位相速度が観測されている偏東風波動に類似している。5層非線形プリミティブ方程式を用い南北加熱差とwave-CISK型の積雲加熱によるモンスーンオンセット型の発生についても議論し、積雲加熱の重要性を明らかにした。エネルギー解析の結果によれば、積雲加熱が加えられるとA_Z,A_E,K_Z,K_Eともに増加する。初期にはバロトロピックな変換が効くが、積雲加熱の存在下ではバロクリニックな変換が渦の成長に主に寄与している。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1993-02-25
著者
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Kasture V.s.
物理学研究所・理論物理学部門
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Krishnakumar V.
物理学研究所・理論物理学部門
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Keshavamurty N.R.
物理学研究所・理論物理学部門
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Kasture S.V.
物理学研究所・理論物理学部門
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Keshavamurty R.N.
物理学研究所・理論物理学部門