HEIFE領域における境界層の風速場
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概要
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HEIFE領域内のタワーおよび自動気象観測装置より得られたデータと低層ゾンデの観測結果をもとに、MASCONモデルを用いて診断的に境界層内の3次元の風速場を求めた。その結果、総観規模から準メソスケールにおよぶ運動が場所や時間によってさまざまな形で境界層内の風速場に影響していることがわかった。例えば、強風時には北西風が卓越し、地形によって力学的に強制された特徴が風速場に見られる。一方、晴天の日には風速場は顕著な日変化を示す。Qilian 山脈の麓から Hexi Corridor と呼ばれる谷に沿っては、メソスケールの地形による熱的な強制が風速場に働いている様子が明らかに見られる。日中、この流れは総観規模の流れと結びつくため、季節によってその流れる場所は移動する。北側の領域においては総観規模の流れのメソあるいは準メソスケールの地形に導かれた流れが同時に影響しあうので、風速場の日変化は場所に依存した複雑な進展を示す。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-12-25