フロリダ州立大学全球スペクトルモデルに組み込んだ雲予測スキームとその影響
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概要
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フロリダ州立大学全球スペクトルモデル(Florida State University-Global Spectral Model ; FSU-GSM)に雲を予報するスキームを組み込み、その影響を調べた。雲水と雲量の二つを新しい予報変数として付け加える。積雲対流による雲と、大規模場の収束による雲が考えられた。大規模場の発散により、雲は消える。予想された雲量と雲水量が放射のスキームに使われる。雲の移流はいまのところ考えていない。雲水は、あらかじめ与えられた温度の関数で水(液体)と固体(氷)に分けられる。モデルはもっともらしい雲量と雲水量を再現した。両極地方を除き、積雲から発生する雲が雲量と雲水量にとって重要である。熱帯では、積雲を起源とする雲が全雲量の半分を占め、上層雲のほとんどを占める。積雲を起源とする雲は、中緯度の雲水量の半分を供給し、熱帯では雲水量にとって不可欠である。熱帯の外向き長波放射(OLR)が改善された。これはこのスキームが対流性の雲も考慮していることによる。対流性の雲が熱帯の上層雲には不可欠であり、これがOLRに大きな影響を及ぼす。
- 社団法人日本気象学会の論文
- 1995-12-25