イタリアの町社会における家族の社会・文化的意義 : 経験的事実としての famiglia と民俗概念としての famiglia
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概要
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本稿は,筆者が1986〜87年にイタリアの一町で行った現地調査に基づいて,彼らの生活をfamiglia(家族)の側面から記述・分析したものである。筆者はこれまでにも,イタリア社会におけるfamigliaの重要性と特性について,文献研究に基付いた展望を試みてきた(宇田川 1987)が,本稿では,さらに具体的事例を基に,従来の一般的な家族論では捉え切れないfamigliaの特徴を明らかにすることを目的とする。その特徴は,民族概念としてのfamigliaに沿った分析を行うことによって,親族とジェンダーに係わる問題として浮かび上がってくるだろう。即ち,本稿は,famigliaという民族概念の文化的意味を重視したイタリア家族論の試みであるが,その分析視座においては,家族研究一般に対する問題提起をも意図している。
- 日本文化人類学会の論文
- 1989-03-30
著者
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