日本産 Anomalohalacarus 属(ウシオダニ科)の 1 新種と分類形質について
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概要
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鳥取県賀露海岸沖の砂泥から得られた標本に基づき, Anomalohalacarus属の1新種をAnomalohalacarus biformis n. sp.と命名して記載した。本新種はA. macellus Bartsch, 1993と類似するが, 雌の性肛域と脚の毛式により区別される。Anomalohalacarus属が太平洋から記録されたのは初めてである。実際の標本と記載に基づき, 本属に見られる性肛板ならびに背後板の形態形質について分類学的な検討を行った。その結果, これまで記載されてきた雌の性溝(genital groove)は分類形質として適当ではなく, 性溝の腹側に位置する後部性板(posterior genital platelet)の形態を種レベルにおける判別形質の1つとして用いるべきである事が示唆された。また, 外群比較(out-group comparison)と個体発生的形質先行(ontogenetic character precedence)の基準により, 本属に見られる左右に分かれた背後板は単一の背後板よりも派生的であると判断された。
- 日本ダニ学会の論文
- 1996-05-25
著者
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