細胞培養利用によるイネ品種の育成
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概要
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ある特定のイネ品種の細胞を培養して植物体を再生させた場合、その植物体は原品種と同じものになると考えるのが常識であろう。ところがプロトプラストから植物体を再生させる過程において、おそらく突然変異が起こったのであろう、原品種と異なる変異体が生じ、その中から良いものを選び、悪いものを捨てるという、従来の育種の操作を進めることによって原品種と性質の異なる新品種を生むことができたのである。植工研では、わずか3年間でコシヒカリのプロトプラスト培養から新品種を作出し、平成元年2月3日「初夢」の名で農林水産省に品種登録の申請を行った。そこで、この奇妙な方法で新品種を作出した経緯、新品種「初夢」の特性、細胞培養利用のイネ育種の特徴等について述べることとする。
- 日本作物学会の論文
- 1989-12-07