新甘蔗CP系品種の株出能力について
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概要
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CP29/116,CP36/105の各品種はアメリカFlorida州のCanal pointで稍低温地向けの品種として育成され,我が国に於ては1950年4月山崎博士に上り導入されたが,その後九州農試種子島試験地において増殖に努め,当試験地を初め各地の試験の結果好成績を收めたので最近当業者の栽培希望も多く,大鳥,種子島は勿論鹿児島県内地でも現在の2725POJ及び在来種、を主体とした甘蔗作をCP系品種に切換る計画であり既に実施されつつある。鹿児島県の甘蔗作は熱帯地方の栽培と異り殆んど夏期のみの発育しか期待出来ないのでその栽培法を考慮することは最も必要なことであるが,同時に株出能力の高い品種の選定は新植への種苗及び労力節約のみならず蔗茎重量の増加を計る上にも必要欠ぐべからざる條件である。鹿児島の甘蔗栽培は大島郡,熊毛郡を主体として耕作されその豊凶が農家経済の安定を支配する程重要な存在になっている,即ち大島郡では1戸当平均1反6畝畑耕作地の37%を占め,熊毛郡においては1戸当平均1反2畝畑耕地の17%を示している。全栽培面積は大島郡で4,319町歩,熊毛郡で1,090町歩,年間22億円の生産をなしているが,粗放的栽培のため総体的反收低くその上台風による減收が大きく而も株当能力が弱いため,株当による減收を招き栽培も1年株出に限定されている。耐風性強く,而も早熟多收,株当の強い特性の品種が鹿児島県の甘蔗品種選定上最も必要なことであり,CP系品種の特産からして稍期待されるものである。CP系品種の特性については大内山,中時により発表されているが当場において株出の能力調査を行ったので取纏め報告する。
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